ウルトラマンタロウ/石川賢 少年サンデー 昭48



ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作「ウルトラマンメビウス」が、今日で最終回。この後しばらくはウルトラはお休みだそうで、「~メビウス」では、シリーズ第1作の「ウルトラQ」から「ウルトラマン80」までを、連続した同じ世界の出来事とし、新人メビウスの先輩として、ウルトラ兄弟(変身前の主人公も)がゲスト出演、また過去の人気怪獣も登場する、ウルトラシリーズ総決算的な、魅力的な試みがなされていた。

ハヤタ、ダン、郷秀樹、北斗星司はメビウスの映画版にも登場し、通称”ダンディ4”と呼ばれているそうで(笑)。
当時のテレビ放映を熱心に観ていたのは、年齢的に「~A」の前半くらいまでなのだけれど、「~メビウス」劇中での、北斗星司と南夕子の30年ぶりの再会、また「~80」の矢的先生とその生徒達の再開には感激したなあ。
ウルトラは日本の誇る文化ですから、またの復活を楽しみに待つとしましょう!

ウルトラシリーズのマンガといえば、初代やウルトラセブンまでは、一峰大二、楳図かずお、桑田次郎各先生版があり(学習雑誌系除く)、後期では「ウルトラマンタロウ」が少年サンデーで連載されていた。作画は石川賢。昭48(’73)なので、「ゲッターロボ(少年サンデー)」の前年、「魔獣戦線(少年アクション)」の前々年。
昭47年に「冒険王」で「変身忍者嵐」を描かれていたので、コミカライズはその流れだろうか。

テレビの「ウルトラマンタロウ」のマンガ版ではあるのだが、そこはあの石川賢ちゃん、当たり前のように、テレビ版とは全くリンクしていない(笑)。
ウルトラシリーズでは「ウルトラマンA」から、登場怪獣が、怪獣より一段強い存在の”超獣”になり、その後はたしか”超獣よりさらに強い怪獣”とされたが、石川賢版「~タロウ」の怪獣は”奇形獣”というもの。さすが石川賢、のっけから放送コード無関係、ダイナミックイズム炸裂だ(笑)。

単行本は昭61に大都社より発行された。全1巻、「タロウ誕生」「失われた町」「鬼がくる」「小さな独裁者」の全4話。
主人公の東光太郎は、「地球滅亡の危機から人類を救うため、地球七億の若者の中から選ばれた、ウルトラファミリー六番目の息子(単行本折り返しの文より)」という設定で、天涯孤独の宿無しキックボクサー。第1話の初登場シーンで不良グループからいきなり「終戦まぎわのひきあげ兵ってかっこうだぜ」「こじき野郎!!」と罵られてます(笑)。

犬の奇形獣に何故か狙われる東光太郎と、これも何故か光太郎の周りに付きまとう、2人のコートとマフラーとハットの男。
犬の奇形獣によって鉄骨の下敷きになった光太郎が目覚めたのは、「母」と名乗る不思議な光の「体内」だった。「母」の体内で、光太郎は奇形獣に滅亡させられる未来の地球の姿を見せられる。
目覚めた光太郎はウルトラマンタロウに変身し、犬の奇形獣を倒した。「母」とはウルトラの母で、2人のコートの男の正体はウルトラセブンとウルトラマンエースだった。
ちなみに犬の奇形獣は口を引き裂いて殺した(笑)。

ウルトラマンタロウ/石川賢
少年サンデー 昭48~


※’99年から運営していた、この趣味のマンガサイトですが、気持ちの変化から、去年1年はほぼお休みさせて頂いてました。
その間に、昨’06年11月15日、石川賢先生はまだ58歳の若さでこの世を去ってしまいました。近年「真説・魔獣戦線」の連載などもあり、ノリノリのご様子でしたのに。
たくさんの夢を与えてくださった、石川賢先生、本当にどうもありがとうございました。
石川賢先生、どうぞ安らかに。

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