戦神 いくさがみ 赤神諒 読了しました。


竹田で土曜日に行われた、著者赤神諒氏トークショー&サイン会での先行販売で入手の「戦神 いくさがみ」読了しました。家族の緊急入院で、1日病院にいたのでその間にほとんど読んでしまった・・。

九州の「義」の三武将の筆頭・立花道雪(戸次鑑連)が主人公のドラマということで、この小説の刊行をほんの数週前に知ってから、楽しみに待っていました。

けれど、前もって若干の懸念もありました。若干、というよりもかなり気になる部分ですね。どうしても。果たして、大友は、どう描かれているのだろうか・・と。


立花道雪については「九州の義の三武将(他は高橋紹運、立花宗茂)」であったり、「上司にしたい武将ナンバーワン」であったり、「雷神」と、ヒーローにふさわしい要素が、ネットでちょっと調べるといくらでも出てきます。それが大友宗麟となると、これでもかと罵詈雑言ばかり目に飛び込んできます・・。

1年前に、ねんど人形で2代目の大友宗麟、そして先月これも2代目の、立花道雪が完成しました。初代の宗麟公と道雪さんを2015年に作ったのですが、あの時はまず道雪人形の制作から始めました。

人形を作る時、モデルとなる神話の神々や歴史人物などに「敬意」と「好意」をもって臨みます。立花道雪人形には誇らしい気持ちでとりかかりましたが、宗麟公にはすんなりとはいきませんでした。あまりにも悪評の嵐ばかり目について。

それでも、制作前にはまず徹底的に調べ上げることを心がけていますので、さらにしつこく調べていると、やがて「宗麟への悪評は、そのほとんどが宗麟の死後・・江戸時代になってからのもの」という資料にたどり着きます。

要は、「敗けた国の将」であり「もっとも有力だったキリシタン大名」だったために「ネガティブキャンペーン」をはられていただけであったりもします。それが、現在伝わっている大友宗麟公のパブリックなイメージになってしまっている。

これって、70年前に戦争に敗れた「日本」と同じ立場なんですよね。つまり。


さらにさらに調べ続けると、「大友宗麟だけは、奴隷貿易に手を出さなかった」という一文がみつかり、それを知った時、大友宗麟人形の制作が一気に進みました。着手は道雪人形が先でも、完成は宗麟公が早かった。

キリシタン大名といえば奴隷貿易の話がセットで出てくるものですが、この辺も諸説入り乱れており・・。

私の立場で言えば「敬意」と「好意」がモットーなのももちろんですが、・・大分に生まれてきてしまったわけですから。大分の後輩が、ちゃんと宗麟公を盛り立ててあげたいのです。

2030年は宗麟公生誕500年。なんぼなんでも、500年もネガキャンされているなんて、可哀想ではないですか。


2014年に刊行された辻野功著「親子で読む 大分偉人伝」によると、〜〜

『バテレンと宗麟の時代』という優れた著書のある故加藤知広・大分大学教授は、エッセイ集『南蛮船の見える町』の中で「大友宗麟を寄ってたかってくささないと知識人でないとする」大分の風潮を厳しく批判されました。

〜〜とあります。大分の弱点は、いつもここです。


大分は、宗麟公の次代・大友氏第22代大友義統の代で改易〜「小藩分立制」とされ、現在の大分市にあたる狭い範囲だけをみても、7つの藩により20地区にも分割されます。

藩が違えば結婚すらできない他所の国であり、歩いて行ける範囲ですぐにその他所の国となってしまうのです。村々で見張りあい、ちくり合わなければ生きていけない地域となった。

大分の人間は3人集まると何もできなくなる〜といわれる、一番の弱点が、これから500年続いて出来上がった。「敬意」と「好意」の逆は「敵意」と「悪意」、けなし合いの文化です。

・・まあ、そんなに酷く、しょっちゅうそれらが目立つように表に出てくるわけではありませんが(笑)。個人的には、誰か悪者を想定することで自分の正義性を確認するような心理、みたいなものが昔からいつも苦手なのです。なんというか、正義感が強いと見えるお方ほど、実は攻撃欲求が強いだけなのではなかろうか、と思える時があり・・。私は、偽善者の仲間入りをするくらいなら、自分は悪者で構わん〜と、若い頃よく思ったりしてました。もちろん、正義でありたいと常に思いますが、何事もほどほどなのですよね。その正義に酔っ払ってしまわない程度に。


なんだか、読書の感想とは全然かけはなれてきていますね。「戦神 いくさがみ」の刊行を知った時に、赤神諒氏の既刊の感想などをネットで見てみたのですが、やはり大友関連はあまり仕えたくない武将・・かなり非道な人物描写・・のような書評が目立ったもので、大分で生まれ育ったものとしては、ここが気にならずにはすまないのです。

自分が17年前に大分を出て上京したのも(大分は本当にこんなので良いのだろうか・・?)と、違う世界を見てみたかったのが理由ですし。学生時代に熊本にいて、上京して15年弱横浜にいて、その間に大分県人会に入って関東で大分の人間をみて、自分にも良くも悪くも大分が染み付いているのを強く感じました。


いいかげん、普通に感想文を(笑)。すごく面白くて、一気に読めました! 最初に大友家第18代親治の仕打ちに(うわっ、やっぱり・・)となり、序盤「二十四歳の若き国主大友義鑑は名君の片鱗を見せ」という一文にホッとしたり(結局そこかい)。

でもトークショーで赤神諒氏が「自分は面白ければ良いと思って」と仰っていて、そこは自分も大いに同意すべきところでしたので、また実際に面白いのでこれで良いのだと小説世界にに引き込まれました。

親治の仕打ちも、戸次側のエピソードも、外連味という言葉も甘いくらい、度を超えた驚きで惹きつけます。ネタバレにならない程度に打ち明けますと、このくらいでしょうか。まだ先行販売されたばかりですし。

あと、赤神氏のトークショーで「悲劇」がお好きともいわれていましたが、なるほどこれは、ちょっとページをめくる手を止められなくて目が潤みますね。

・・そしてどうすれば、どうなれば良かったのか、登場人物はとっくに決断し肚を決めているというのに、こちらはおろおろといつまでも考えこまされてしまいました。

次は、赤神氏のデビュー作「大友二階崩れ」を、読んでみようかな。

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