永遠の0/百田尚樹 東宝 2013

TVCMを観た時に、ゼロ戦がCGぽく感じて一瞬どうしようかな? という斜め下過ぎる理由で迷った自分が馬鹿でした。素晴らしい作品でしたよ。昨年は映画って「パシフィック・リム」に足を運んだくらいでしたか。今年は見識を深めるために、なるべくたくさん観てみましょう。

いや物心ついてからのマンガと特撮ファンなもので、どうしてもCGが気になってしまうのです。「パシフィック・リム」は2回観ましたが、これが実写だったらなあという気持ちがずっとありました。やたらぐいぐいと映像が動き回るものの、CGの弱点を隠す動きに見えてしまう。実写特撮やアニメ作品だと、映像本編の他に例えば写真展や原画展など、静止画像として鑑賞に耐える作品展などが存在するものですが、CGにその世界があり得るのか現時点ではまだ疑問なのです。・・また、マニアックな事を喋り始めてしまいましたがお許し下さい。

劇場で観た「永遠の0」にCG臭さは幸い感じませんでした。エンドテロップのVFX資料協力でしたかにタミヤ模型がありましたので、もしかしてプラモデルのゼロ戦を3Dスキャンして取り込み・・とかでしたら、ある意味実写特撮ともいえるかも知れませんね。

「永遠の0」という作品の感想をここまで思い切り外れていますが、実はちょこっと目が潤んだりしてしまったので、あまりそういう時は語れないですね。冒頭のゼロ戦の戦闘シーンで既に。

私の母は尋常小学校の時代にB29の機銃掃射に追われて、弟(私の叔父ですね)をおぶって田んぼの中を走って逃げた経験があります。その時にB29を追い払い助けてくれたのがゼロ戦。母が見上げた空のゼロ戦と、勿論私は観た事がありませんが映画の中を飛ぶゼロ戦を重ね合わせてしまって。

今から45年ほど前、私が小さかった頃には「0戦はやと/辻なおき/少年キング」、「紫電改のタカ/ちばてつや/少年マガジン」などが連載されていて、ゼロ戦の秘技「木の葉落とし」などを、私もノートに描いて遊んだものです。「永遠の0」を観ていて、思い出しました。そういえばこういう、戦争を題材にしたニュートラルな良作に40年以上もお目にかかっていなかった気がします。

そうだ、戦争がテーマの作品といえば「はだしのゲン」がありますね。昨年、学校図書館に置くのどうので騒動になりました。ついでに語っておきましょうか。

思想的にどうしたこうしたと賑やかでしたが、生粋のマンガマニアから見たら、肝はそんな部分ではなくてですね。あのマンガの単行本全十巻でしたか、前半と後半で別物なのですよ。前半に収録は少年ジャンプで連載されていて、小学生時代にリアルタイムで全て読みました。紛れもない名作です。

それから数年後、少年ジャンプ以外から単行本が発売。私ももう大学生になっていました。久しぶりに読み返すと、知らないエピソードが続いている。当時は、連載再会で良かったねくらいに思い楽しんで読んでいましたが、ここで同じ単行本のそのまま続きみたいにしたのが、せっかくの名作を混乱させてしまった元ですね。例えば、名作中の名作「巨人の星」と、その後数年経ての「巨人の星2」を一緒くたにしたとしたら、台無し感が伝わるでしょうか。またはこれも名作「タイガーマスク」と「タイガーマスク2世」だと思うと、さらにガッカリです(^ω^)

しかも騒動をきっかけに調べたら、第二部以降は何やら思想団体の機関誌みたいなのに連載されていたそうではありませんか。そんなものと、せっかくの子供雑誌連載の名作を混ぜこぜにしてしまって、しかも抱き合わせのまま子供の学校図書館に置けなど、それはダメ過ぎるでしょう。

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