ジャイアント台風/高森朝雄・辻なおき 昭43~


前回紹介済みですが、馬場正平「地獄の特訓」は非常に地獄度の高いエピソードなので、もう一度少し詳しくおさらいしでおきましょう。

「なっとらん!!」
バシッ(竹刀で馬場をたたく音)。昭和35(’60)年、入門初日の日本プロレス道場で力道山のしごきを受けグロッキーの、馬場正平22歳。
「まさしくウドの大木とはおまえのこっちゃい。そもそも体力よりもまず必死の気迫がたらん!」
「ひ、必死なんです! だ、だからこそこんな目にあっても・・」
「ほほう、・・だいぶ不服そうだな」

ならばこっちへこう!・・と、馬場を呼びつける力道山。シャワー室に連れていかれ、何故か両手、両足に巨大なバーベルを括りつけられ、大の字になって戸惑いの馬場。そしてそこへポンと放り込まれたのは、これまた大きなハチの巣だった・・。
「いいか、カギはかけん。ここまで自力ではいずってくればドアはあく」

チクッ
チクチクッ

「ぐわわわっ」

チクッ

「ぎひっ!!」

いや~な擬音とともに、ひとり取り残されたシャワー室に響き渡る、馬場の悲鳴!

「死にたくない、・・大の男がこんなばかげたことで・・」
動かせないはずのバーベルを引きずり、死のシャワー室からの脱出に成功した時、馬場は地上最大の荒っぽいスポーツ=プロレスに必要である、”死にもの狂いの力”を体得出来たのだった。

ジャイアント台風/高森朝雄・辻なおき 昭43~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください