廃人二十面チョ/永井豪 少年ジャンプ 昭4?


赤塚不二夫先生・・俗称 ” フジオちゃん ” のことは、大好きで、間近で見たら直立不動になって敬礼してしまいたいほどに尊敬し、憧れているんだけれど・・(カッコイイね、オレもあんなおじちゃんになりたいのだよ)。

でも、「天才バカボン」「おそ松くん」・・小さい頃から、残念ながら先生のギャグマンガであまり笑ったことがなく、単行本も自叙伝などしか持っていない。白状します・・。小学生時代にどんなギャグマンガを好んで読んでいたのかというと、これはもう、永井豪先生の作品がダントツでした。ああ、赤塚先生ごめんなさい。フジオちゃんスミマセン。

少し前に「永井豪ギャグ傑作選」という復刻アンソロジーを買って、今読んでいる。もう堪らないね、これ。スゴすぎる。パッと絵を見ただけで、思い出して、ハラを抱えてうっ伏してしまった。

「~ ギャグ傑作選」は、昨99年の1月に、ジャンプコミックスセレクションとして刊行されたもの。

まず1話目は、「廃人二十面チョ」だ。昭和40年代後半(’ 70年代前半)頃の少年ジャンプに、愛読者賞エントリー作品としてに掲載された。そうそう、当時のジャンプはこういう楽しみな企画を月イチくらいでやっていたっけ。合作シリーズなんかもあった。永井豪&とりいかずよしの「ハレンチ学園+トイレット博士」、とりいかずよし&土田よしこのフジオプロタッグ、とりいかずよし&柳沢きみおの子弟タッグなど。おお、とりいかずよし先生、さすがこの頃は堂々たるジャンプのカオだったねー。ファンレター何度も出したもんなあ、返事来なかったけど・・。永井豪先生、ジョージ秋山先生は来たけど。おっと、のっけから話がそれている。・・「廃人二十面チョ」だった。

タイトルですぐにピンとくるだろうけど、江戸川乱歩「怪人二十面相」をもじったもの。” メンチョ ” とは顔にできたオデキのことだそうで、鳥取県ではオンナの人のアソコ、広島県ではちんこの意味もあるらしい。顔中メンチョだらけの怪盗、廃人二十面チョと、二十面チョの最大のライバルは、痔が悪くてそろりそろりとしか歩くこともままならない、我らが名探偵、その名もイボ痔小五郎だ! ・・く、くだらねー(笑)!! ああ、何か、自分のギャグの好みがはっきりとしてきたぞ。そうか、子供の頃からお下劣好きだったんだ・・。

二十面チョとイボ痔小五郎の2人だけでも相当に可笑しいが、さらに、とどめとなる強烈なキャラクターも登場。「ぼっ ぼっ ぼくらは性悪探偵団♪」の歌声とともに、肥おけを担いでやってくる、こややし少年だ! 「こえ桶 ピチャポチャ 黄金色♪」。・・ああ、もう、ガハハハ!!(笑)。

これ以上特に説明はいらんでしょう、このマンガは(笑)。ひとつ付け加えるなら、イボ痔小五郎が痔で苦しんでいるところを、助手の手寅あけび&我目モモ美、こややし少年と性悪探偵団のみんなから追い打ちのようにひどい目に合わされて、そこが読んでいて最も楽しい場面なんだけれど、・・永井豪先生のギャグマンガって、あらためて、子供のイタズラ心を大いに満足させてくれる作風だったなあ。初期の代表作「ハレンチ学園」で、PTAから非難ごうごうで社会問題にもなった ” スカートめくり ” なんて、当時の子供達でやったことのない者なんていなかったしね(断言)。もち論、私もやったよ。あれは楽しかったなあ。

イボ痔小五郎は、永井豪先生のお気に入りキャラクターとなり(笑)、これ以後「迷惑探偵!! イボ痔小五郎」としてシリーズ化された。まだそこまで読んでいないのだが、この単行本に続きが入っているよ。

廃人二十面チョ/永井豪 少年ジャンプ 昭和4?

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