地獄くん/ムロタニツネ象 少年サンデー/少年/中1時代 昭和41(’66)年 ~ 43
成田アキラのエッチマンガを探してみようと思い、大分市鶴崎の古本店に足をのばしてみた。見つからなかったが、ムロタニツネ象の「地獄くん」の”完本”というのがあった。”QJマンガ選書”~というと、楳図かずおの「ガモラ」だけ、書店でお目にかかったことがある。「地獄くん」まで復刻本になっているとは知らなかった。
帯に”伝説のトラウマ・ホラー復活 幻の最終話、「死神工場の巻」を収録した完全版”と書かれてある。・・トラウマ? ホラー??…なのかなあ。「怪奇マンガ」だと私は受け止めているが(”ホラー”という言葉が一般的になったのは「地獄くん」よりももっとずっと、10年くらいあとの話で、それ以前にあったのは「怪奇マンガ」と「恐怖マンガ」)。
解説に、竹熊健太郎やスクリーミング・マッド・ジョージに混じって、なぜか 成田アキラ(?)の名がある。ずいぶん唐突で、ムロタニ氏と成田氏の間に何ら接点があるようには思えないのだが、幻の最終話とやらが見たいのとあわせて、買ってしまった。それにしても「地獄くん」ならちゃんとサン・ワイドコミックスのやつを昔から持っているというのに、我ながら本当好きだなあ、ハハハ。・・いや笑っている場合じゃないか。ちょっとは考えて自制しないと、もう本の置き場所が部屋のどこにもないぞ!
この「完本・地獄くん」、裏表紙にお話の中の3コマがデザイン的に配置されているのだけれど、~
1コマ目:拳銃で撃たれ、ヒタイのど真ん中に穴が開いた、地獄くんの顔。
2コマ目:白目になる、地獄くんの顔。
2コマ目:長い舌をベロッと出した、地獄くんの顔。その舌の上にはたった今撃ち込まれたばかりの弾丸が・・。
~ 私が幼稚園時代にこれを読んで、最も印象に残っている場面ではないか。そうか、やっぱりみんなそうだったのかと、なんだか少し嬉しくなってしまった。ところで、最後の解説まで読み終わった。ムロタニツネ象は、なんと成田アキラのおじさんだったのだと。・・この本、つまり今日、私に会うことになってたのでしょう、きっと。
QJマンガ選書版
地獄くん/ムロタニツネ象
昭和41(’ 66)年 ~ 43 少年サンデー/少年/中1時代