宇宙猿人ゴリ/宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン/スペクトルマン /一峰大二


「~スペクトルマン」は小学中~高学年時に購読していた月刊誌、「冒険王」で毎月楽しみに読んでいた。最初に読んだのは46年の7月号。交通事故怪獣 ” クルマニクラス ” という、ウルトラシリーズではお目にかかれないタイプの奇妙な怪獣が出た号だった。

私はマンガの単行本を買う時に、それが出てからすぐ買ってしまうとまだ連載時の記憶が新しいので、何年かして、久々に読みたくなった頃に古本で購入することがよくある。「~スペクトルマン」の単行本もそんなふうに、書店にあっても手をのばさないでいた。

そんなこんなでそれから10年がたち、貧乏バイト学生になっていた私は、熊本のとあるスーパーの駐車場で古本売りのアルバイトをしていて、たまたま「~スペクトルマン」全巻を見つけた。確か全8巻で1500円だったと思う。

ところが、極貧学生だった私は、そのたった1500円を持ち合わせておらず、その時一緒にあったつげ義春の文庫サイズの「ねじ式」等を、4冊530円で買って帰った。その後、「~スペクトルマン」の単行本には何故か縁のないまま、学校を卒業し、地元の大分に帰り、さらに10年が過ぎた。

平成5年(1993)に、大分の古本の元締め(と勝手に呼んでいる)みたいな古物商さんと知り合いになり、スペクトルマンが読みたくて、古本について聞いてみた。何しろスペクトルマンといったら、「マグマ大使」を製作した特撮のピープロのTVヒーローものの代表作なのだが、なんでも、お金に困ったピープロがフイルムを外国に売り飛ばしてしまったため、ただの一度も再放送がないという、幻の作品なのだ。昭和の終わりの、まだエロ雑誌でなかった頃の「宝島」に、フランスで「宇宙猿人ゴリが仏語で喋っていた」のを観た、という記事が載っていた。ちなみにピープロには他に「怪獣王子」、「快傑ライオン丸」、「風雲ライオン丸」、「電人ザボーガー」、「鉄人タイガーセブン」等がある。

「~スペクトルマン」について、古本の元締めさんに資料を調べてもらったところ、全8巻で、中央での現在の売価は8万円だということだった。

私は素朴な古本マニアだったので、これを聞いて、とても驚き、ずいぶんとガッカリした。TVのスペクトルマンのLDボックスが去年発売されたが、こちらも前後巻合わせて12万円以上もし、大分のリズムレコードの店内で、ボーッとしてそれを眺めた。・・何だ、コレ? こんなものを本当に買ってしまう人っているのだろうか? 売っているということは、いるにはいるのだろうけれど、一体どういう人なのだろう・・。まあ私も、アントニオ猪木名勝負のLDボックスに33000円+税×2 も使ってしまった過去があるので他人のことは言えないけど(笑)。

今年に入り、スカイパーフェクTVのチャンネルで「マグマ大使」の放映が始まった。ひょっとしてひょっとすると、「マグマ~」が終わった後に「~スペクトルマン」をやってくれないかな、と淡い期待を抱いている。

宇宙猿人ゴリ/宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン/スペクトルマン/一峰大二
昭和46~47(’ 71~’ 72)年 冒険王、少年チャンピオン

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