ねんど素材解説(3)
ねんど素材解説の(3)です。樹脂粘土で「ねんど人形写真」用サイズ(12~18センチ程度)の人形を作るテスト。解説の(2)では、ダイソー樹脂粘土をベースに軽量粘土ハーティクレイを混ぜて、鬼っ子人形を作りました。
今回はベースは同じく「ダイソー樹脂粘土」に、「モデナソフト」を混ぜました。どうやら、モデルマジックねんどに代わる私好みのねんど素材がこれでついに見つけられた気がします。
「モデナ」と「モデナソフト」の解説です。昨秋頃にダイソー樹脂粘土が発売された時に、「モデナに似ている」と評判でした。試してみると、ねんどの強力な「粘り」と「戻り」がモデナというより、愛用ねんどモデルマジックに近いと思えました。「粘り」のお陰で、ねんど細工の最初の基本の「玉」が作れて、また「戻り」を利用して、粘土表面にへらなどで柔らかく滑らかな凹凸を作る事が出来ます。へらの跡をくっきりとさせないので、絵でいうと鉛筆で下書きを重ねる感じで形が作れます。
ワークショップ用のミニ人形では、ダイソー樹脂粘土の「粘り」「戻り」性能を最も活かせる様に、誰でも作れるシンプルな形状にデザインしていますが、制作に慣れてきて、より複雑で細やかな形を作りたい時には「戻り」が強いとゆるくなり過ぎて、ダイソー樹脂粘土の性能を薄めたくなる場合があります(「粘り」の方は、出来れば薄めずに)。そこで「モデナ」を混ぜる事で、粘土の戻りを自分好みに調節します。
ダイソー樹脂粘土の「粘り」と「戻り」がチューインガムだとすると、「モデナ」はキャラメルや、またロウソクに近い感触になってきます。このため、細やかな細工にはとても向いています。ダイソー樹脂粘土にモデナを混ぜる事で、両方のねんどの良いところ取りをするわけです。
ダイソー樹脂粘土の「粘り」性能を保ったままモデナの硬質感を混ぜるには、どの程度の細工をするかにもよりますが、大凡ダイソー5;モデナ1~ダイソー2:モデナ1でお好みの固さを見つけて下さい。
続いて、「モデナソフト」です。小さめのねんど人形には、ダイソー樹脂粘土に場合によりモデナを少しだけ混ぜる事で、自分に合ったねんどとなりました。今回新作の「風神タケミナカタ」「雷神タケミカヅチ」には、モデナソフトを混ぜてみました。
モデナソフトは、数年前にモデナと一緒にテストしましたが、硬質感と透明感のあるモデナにモデナソフトを混ぜる事で、仕上がりの見た目のマット感がモデルマジックにかなり近くなるので注目していました。モデナ側にダイソー樹脂粘土並みの「粘り」さえあれば、この時に愛用粘土が決まっていたでしょう。
モデナソフトは単体で使うよりも、基本モデナと混ぜるためのねんどの様に思えます。軽くてふわふわしていますので、もしかしたらスイーツデコでパンやカステラを作れるねんどなのでしょうか(スイーツデコは未経験です)。
鬼っ子人形では、ダイソー樹脂粘土にハーティクレイを8:1程度の重さで混ぜましたが、今回は同じ樹脂粘土ですので、思い切って軽くする為に2:1で混ぜてみました。
まずは、雷神タケミカヅチのアタマ(髪)から制作。ねんどの使用量は60グラムで。風になびくこの髪が、タケミカヅチのパーツでは最も大きいので、これがちゃんと出来れば他のパーツも作れます。成功でした。
顔パーツを作っていると、ねんどの「戻り」具合も思った以上に良好で、お陰様でねんどに細やかな「表情」をつけられる様になりました。タケミカヅチの口元など、これまでやった事のないレベルで微妙な表情を演出出来ました(ここはモデナソフトの感触ですね)。まるで、ねんど細工が上手になったみたいです(笑)。
モデナソフトの性能部分も引き出せて、今回の混合は大成功でした。これからの自分の愛用ねんどがやっと出来ました。
もうひとつ、このねんどで万能というわけではなく、パーツや色により「ニューパンド」「グレイスカラー」を使用しています。第4回は軽くそれらを解説して、このねんど素材解説の項目(終わり)とします。