国譲り ねんど古事記の6
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スサノオから6代目の神オオクニヌシです。兄のヤソガミたちを破り、出雲の国を大きくして治めていたわけですが、それを高天原から見ていたアマテラスが、ちょっと、ウチが治めようかなーという感じで、ちょっかい出してくるんですね。
ちょっと端折りますけれど、何回か失敗して、アマテラスが業を煮やして、最強の神タケミカヅチを使わします。
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タケミカヅチ。こちらは「剣」の神様で「雷(イカヅチ)」の神様でありますから・・ええー「タケ(健)」というのは、強い神様につく名前ですね、タケハヤノスサノオノミコトとか。
ちなみに右のタケミカヅチ写真は、2012年の古事記編纂1300年「神話博しまね」の時のものです。左は、今日持ってきています、2016年に新しいねんど素材で作り直したものです。人形のデザインが、だんだん劇画調になってきています。
それで、剣の神様ですから、海の上に剣をさかさまに立てて、その刃の上に座って、「国を譲りなさい」とオオクニヌシに迫ります。‥これ、剣、普通の大きさの剣だとお尻が痛そうに思えましたので(笑)、でっかい剣にしています。
オオクニヌシは、私はもう老いているので判断はできない、息子たちに聞いてくれ、と。
最初の息子、コトシロヌシ・・は、まだ作っていないんですけどね、・・コトシロヌシは、釣りをしていたところを呼び戻されて、分かりました譲りましょうといって、船をさかさに伏せてその中に籠ってしまいます。
コトシロヌシは、「恵比寿さま」といわれています。オオクニヌシは「大黒さま」ですね。「大黒さま」と「恵比寿さま」の親子です。
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そうしてコトシロヌシの、今度は弟神であるタケミナカタです。いや俺は許さん、と、タケミカヅチと戦うということで。~~
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タケミナカタは怪力の神様で、巨大な岩を、タケミカヅチに向かって投げつけます。
これ(写真)、先ほどの・・おっと、先ほどの場所は「稲佐の浜」といいまして、出雲大社から2キロほど西にある海岸です。島根県の夕景の名所で、ここが国譲り神話の舞台と伝わります。神在月・・島根県以外では神無月の、神迎え祭が開催される浜です。
そして、稲佐の浜から車で10分前後だったかな、のところにこの「つぶて岩」がありまして、これが、タケミナカタが投げつけた岩がここまで飛んできてさく裂したものと、地元では伝わっています。
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二柱の神様が戦います。タケミナカタが怪力でタケミカヅチの腕をつかみますが、タケミカヅチは、神通力で腕を氷に変化させて、タケミナカタがひるんだところをさらに剣に変化させて、それで、タケミナカタは負けてしまいます。
そしてタケミナカタは諏訪の国、長野県まで逃げて、もうその地にこもって外に出る事はありません、と降参します。
そして、この時のタケミカヅチとタケミナカタの戦いが、「相撲の始まり」とされています。
さて先ほどタケミナカタを雷の神、「雷神」と紹介しましたが、またタケミナカタはですね、元寇〜蒙古来襲の時の、神風は、タケミナカタのご威光であると、鎌倉幕府より認定されています。相撲の始まりは、風神雷神の戦いでもあったんですね。
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さてまた、お神楽での国譲り神話を紹介します。・・こちらは「荒神」という、島根県の大土地神楽です。タケミカヅチとフツヌシという神様が二柱で舞っています。
これフツヌシは、古事記には出てこなくて日本書紀の方だけ登場します。フツヌシは、物部氏の祖といわれています。
武道の道場では、「鹿島大明神」「香取大明神」とある二対の掛け軸が掲げられているところが見られますが、これがタケミカヅチとフツヌシのことで、ともに最強の武の神とされています。
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さて左はオオクニヌシ。これはもう、大黒様の格好ですねえ。
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そして、「国譲り」はなされました・・。
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