ねじ式/つげ義春 昭和43(’ 68)年 ガロ 6月増刊号
小学高学年時に買った赤塚不二夫の「マンガプロ入門」で、「ねじ式」とつげ義春の名前だけは知っていた。
初めて実際に作品を見たのは22歳(昭和58年、1983)、古本売りのバイトをしていた時だった。
熊本のどこかのスーパーの駐車場(もう場所も忘れた)で本を並べて、空模様が怪しくなってきたから今日はさっさと切り上げだな、などと考えていた。
手に取って何ページか読み、 うろたえて本を閉じた。
(こりゃあ、こんなところで見るわけにゃあいかん)と思ったのだ。それ位、ショックだった。
バイトを終えて学生アパートに帰り、ひとコマ見るのににそれこそ1分ぐらいかけたりしながら、夜明けまで繰り返して読んだ。
作品と出会う時期、というものがある。と思う。ずっと以前から知っていながら、この時に初めてそれが目の前にあらわれたのは、きっとその時が、私がそれを読む時期だったのだろう。
ねじ式/つげ義春 昭和43(’ 68)年 ガロ 6月増刊号