オオクニヌシの国造りと別府温泉 ねんど古事記余話 大分編(4)


「ねんど古事記」第5話「因幡の素兎」神話と、その後の第6話「国譲り」神話の間に「国造り」の物語があります。

仲良しの神の「スクナビコナ(※)」と一緒に大きな出雲の国造りをし、「大国主」となったオオクニヌシ。
愛媛県「伊予の国風土記」によると、二柱(ふたはしら=神様は「柱」と数えます)の神が伊予の国を訪ねた際、スクナビコナが病気に倒れた。
オオクニヌシは豊後水道の海底に管を通し、別府速水の湯(別府温泉)を道後へ運びスクナビコナを回復させた。

これが、道後温泉の起源とされています。

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※オオクニヌシの大親友スクナビコナ

蛾の羽をマントにし、ガガイモの葉っぱの舟に乗って常世から来た、小さな神。
オオクニヌシとの仲の良さを示す奇妙な(?)エピソードが、「国造り」神話の中にあります。

スクナビコナが小さな身体で重い荷物をいつまで持って運んでいられるか? ・・オオクニヌシは「うんちを我慢して」、どちらが長く耐えていられるか勝負! をします。

我慢比べ勝負は引き分けたそうですが、日本の神話って庶民度高すぎですよね 笑。

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カエルの神様、カカシの神様

スクナビコナが海の彼方の常世の国(※)からガガイモの葉の舟に乗って現れた時、オオクニヌシが名を尋ねるが何も言葉を発しない。カエルの神様「タニグク」が、「案山子の神様クエビコに聞けば分かりますよ」と助言した。

クエビコにより、スクナビコナがイザナキ・イザナミよりももっと古い神カミムスビ(日本書紀ではタカミムスビとされる)の御子であると分かる。小さいので親神の指の隙間から地上にこぼれ落ちてきたのだ。

カミムスビの命でオオクニヌシとスクナビコナは兄弟神となり、「国造り」を進めた。

※常世の国
海の彼方にあるという「理想郷」とも「死の国」ともされる異世界。日本の神話と多くのつながりを持つ「浦島太郎」伝承の竜宮城も、古代日本信仰の常世の国の概念に通じている。

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ロケ地/湯けむり展望台より別府温泉 大分県別府市


スクナビコナのねんど人形が3日前に出来上がり、一昨日夕方からお天気になったのでさっそく写真撮影してきました。

初め予定していた湯けむりが噴出する公園の日当たりが時間的に遅すぎたので、急遽第2候補地の湯けむり展望台を訪ねたら、今しかない! というタイミングだったので慌ててカメラと人形をセット。直射日光がまともに顔に当たって今もおでこがひりひりしますが 笑、地面から湧き出ている温泉の湯気は逆光で白く、背景の山影に映える、良い塩梅の写真となりました。

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スクナビコナ人形は最新作、オオクニヌシは2016年の作。並べて写真に収まると少しだけ人形の作りが上手になってますね。力の入れ処と抜きどころが分かってきているというか。身体の表情も柔らかい。

良い年齢になっても、続けていれば成長できるもので嬉しいです。タニグクとクエビコも作って、もしかしたら3代目オオクニヌシも作って(今回の人形は2代目、初代は2012年の古事記編纂1300年「神話博しまね」の時に)、また出雲にいきたいなあ。

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