Smile/楳図かずお ビッグゴールド 昭54


「ただいま」

8月31日(火)に熊本で、ハヤブサ&GOEMON選手と、フォーク・シンガーみのや雅彦さんの合同ライブイベントがある。夕べは隼計画の事務所でその打合わせ、・・という名目の宴会が行われた。宴会だから、そこに私も呼ばれている(笑)。

これで4度目の宴会をご一緒させて貰ったみのや雅彦さんから、ご自身のCDアルバムをいくつか貸していただけた。

「夢しかなかった」
「ふたつの気持ち」
「この声を聴いていて」
「ガラクタ」
帰ってからゆっくり聴くのが楽しみだ。

『(前略)そんな私に、ひとつだけしか言葉を与えられない。と、もしも限定されたなら、「愛している」を選ばせてもらいたい。(中略)三つくれるなら、「ありがとう」と「ごめんなさい」だな。』

アルバム「この声を聴いていて」の、
「愛している ~それ以上にどんな言葉があるだろう~」
という曲の、みのやさんの自己レビューにこうあった(上、抜粋)。私なら、どんな言葉を選ぶだろう? と考えてみる。

・・現在の自分なら「ただいま」だろうか。
「ただいま」という言葉の先には「おかえり」という、世界で最も嬉しい言葉が待っているから。

楳図かずおの「微笑みの法則」・・こんなタイトルだっけか? 「イアラ」短編集に収録の一遍がある。

原始時代の地球に空から降りてきた、1組のカップル。
彼らはアンドロイドだ。2人は洞窟にすみ、いたわりあって生きる。男は外に出て狩りなどをして働き、疲れて帰ってきた男を、女は微笑みで迎える。

「ただいま」
「おかえりなさい」
『それで、男の疲れは癒された。それが2人のならわしであった』
という話。

数万年の時がたち、彼らをアンドロイドと気づく高等動物が、地球に現れた。・・人間たちに追われ、男は女を守って戦うが、力尽きてついに動くのを止める。命を失った男を抱きかかえた女は、自分たちに終わりがやってきたのを覚った。
そして、男の亡骸にむかって最期にもう1度、微笑んだ。
「おかえりなさい、あなた」

すると奇跡がおきた。
女の微笑みに応えるように、男は蘇った。そして空に、数万年前に2人を地球に降ろした宇宙船が現れた。
宇宙船は2人を光で包み、空に連れ帰った。

『そのわけは、2人が人間になったからです』
・・と作者の言葉で締められている、とても好きな一遍だ。

「ただいま」
同じく楳図かずおの傑作「漂流教室」のタイトルは、当初「ただいま」になる案もあったそうだ。

8月末の熊本ライブのついでに、大分の実家に帰り「ただいま」といってこよう。

※その後実家で読み返してみると、「おかえりなさい、あなた」等、アンドロイド達の台詞は一切なく、無言だった。…「ただいま」全然関係ないじゃないか(笑)! タイトルも間違ってるし。まあ、そういうのもまた楽しいから良いでしょう。

Smile/楳図かずお 昭54
ビッグゴールド


※渡邊和己の趣味のブログ
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2020年6月9日より、昭和のマンガなど趣味のコンテンツを新しくブログページに移転しました(新規タブで開きます)。

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