黄金バット/黄金バット数え歌/妖怪人間ベム/ベロは友だち


小学5年生の時(昭和47年)に転校していった友達が、お別れの記念にくれたレコード。こっちはお返しに何か上げたのだっけ? ・・覚えていない(笑)。その友達とは、30年たった今でも仲良しです。転校、といっても同じ大分市内でしたからね、子供時代にはすごく遠くに離れてしまったように思えていても(現在は私が横浜にきてしまってはいるが)。


こんな別番組をカップリングのレコードって、他に見かけなかった気がする。それぞれ単独のレコードは出てたんでしょうか。

テレビ放映の時期は、「黄金バット」が昭和42(’67)年4月 ~ 43年3月で、「妖怪人間ベム」が昭和43年10月 ~ 44年3月とあった。2~3年は離れていたように思っていたら、半年程度だったのか。それとも例によって地方の大分県では、放映時期が大幅に遅れてズレてたりしたのでしょうか。

それにしても、作品も時期もまるで違う2つが嬉しくも一緒になっているなんて、当時のヒーローのサイクルはのんびりと大らかだったんですね。


「黄金バット」は私の子供時代の最初のヒーローなのですが、よく見ると凄いデザイン。顔がガイコツだもんね(笑)。元々は、テレビもなかった時代の紙芝居のヒーローだったらしい。ウロ覚えですが、悪の襲来にそなえたアトランティスの超能力者が棺桶の中で長い眠りについていたのが、その間に棺に溶岩が流れ込み、顔が溶けてしまったのだとか。紙芝居版では服を着ていて、ドン・キホーテだか三銃士だかの、欧州貴族風な感じ。「マカロニほうれん荘」で、トシちゃんがその姿に変身していたなあ。

しかし、ガイコツ顔のヒーローって格好良いなあ。幼少時に何枚も似顔絵を描いてました。私の美意識がその頃に形作られていたのだと思うと、感慨深いものがあります(笑)。


マンガ連載は「少年キング」で、設定以外はテレビとは違うオリジナルストーリーで、我らが一峰大二御大が描かれていた。

敵の真空人間や、古代から蘇った最凶の大怪獣の巻が印象深い。真空人間の攻撃で「ズバッ」という擬音と共に黄金バットが×の字に切り裂かれたシーンで次号に[続く]、・・凄くハラハラして切なくなってしまったのを覚えています。あれは殆ど私のマンガ初体験の頃じゃなかったか。次号で、あらゆる攻撃に耐えるマントで体をくるんでいたお陰で、真空人間の攻撃にも何事もなかったように立ち上がる黄金バットの姿を見てホッとした。

ドロドロの液体状になって封印されていた大怪獣復活の前触れで、海が次々と半球形にへこみ、タンカーがまっぷたつにされた場面は、幼稚園の教室で読んでいた記憶がある。黄金バットのどんな攻撃も通じない大怪獣に、黄金バットが飲み込まれてしまったところも胸を締め付けられた。飲み込まれる黄金バットの手だけが怪獣の口の端から出ていてピクピクしていたり、・・また少年読者を不安にさせる演出が細かいのです(笑)。


「黄金バット」の記憶を辿ってみると、思い出すのは主に一峰大二先生のマンガ版の方。やはり食い入るように繰返して読んだ紙媒体の方が残りやすいのでしょう、私の場合。

とはいえ「妖怪人間ベム」も「ぼくら」で連載されていて読んでいた筈が、これは殆ど印象に残っていない。こっちはテレビ版が圧倒的に面白く、とにかく怖かったです。オープニングの、液状の生命体が3つの異形のものに変態しうごめき回る様なんて、よくぞあんな悪夢の様に格好良いシーンを見せてくれたものです。そして始まるジャズ調のテーマソングのまた格好良くクールな事。

子供番組の曲って本当、バラエティに富んでいました。「妖怪人間ベム」はジャズだし、「ウルトラマン」はロックンロールだし、「鉄人28号」はレゲエだし、・・われながら無理矢理な解釈ですか(笑)? いや「ウルトラQ」でも「キャプテンウルトラ」でも「ゲゲゲの鬼太郎」でも「ジャイアント・ロボ」でも「コンドールマン」の「ザ・モンスター」でも何でも、型にハマッたものがないというか。


楳図かずおマンガ以外で怖かったのは「怪奇大作戦」と、やはりこの「妖怪人間ベム」なのですが、「~ ベム」の場合、マンガの方でなくテレビならではの要素として、とにかく ” 音 ” が怖かった。井戸の底から「ああ~あ~ あ~ああ~ あ~!!」なんて声が延々と漏れてきた日には、もう、・・一緒になって叫び出したくなるくらいイヤでした(笑)。ベロのピンチにベラやベムが駆け付けてくれると、やっとホッとした。


※渡邊和己の趣味のブログ
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