復刻マンガリスト


‘ 90 年代末から2000年にかけてのマンガ復刻本ラッシュ。古いマンガ好きにとっては嬉しい限りですが、各社からどんなマンガが復刻されているのか、整理してみます(文庫版は除く)。’ 99年12月以降の日付けは初版発行日ではなく、大分の書店で私の目にとまった時期。それ以前は実際の発行月です。

2000/2
「ウルトラQ」
朝日ソノラマ・中城健太郎・2/9
昭和41(‘ 66)年少年ブック連載。記念すべき円谷プロ初の怪獣特撮番組。

’99/12
「怪奇大作戦」
朝日ソノラマ・桑田次郎・12/29
昭和43(‘ 68)年少年ブック連載。円谷プロ恐怖特撮番組をマンガ化。

「魔太郎がくる!!」
秋田コミックス・藤子不二雄A・12/28
昭和47(‘ 72)年少年チャンピオン連載。藤子A先生の怪奇マンガ。新装版として、初期のエピソード(残酷描写など)の多くが削除されている模様。

’99/11
「トイレット博士」
とりいかずよし
昭和45(‘ 70)年少年ジャンプ連載。看板マンガとしてジャンプを支えたウンコマンガ。

’99/8
「スペクトルマン」
角川書店・一峰大二
昭和46(‘ 71)年冒険王、及び少年チャンピオン連載。’ 70年代の第2次怪獣ブームを巻き起こした、ピー・プロ特撮番組のマンガ化。なぜ角川がスペクトルマンだけを復刻?

’99/7
「魔王ダンテ」
講談社コミックス加筆新編成版・永井豪
昭和45(‘ 70)年ぼくらマガジン連載。永井豪先生の初めての悪魔話。後のデビルマンに比べ、時代を反映してか怪獣マンガの味もある。

「無用之介」
SPコミックス・さいとうたかを
昭和43(‘ 68)年少年ジャンプ連載。初期のさいとうプロ時代劇の代表作品。「劇画」の格好よさを堪能させてくれる。

’99/6
「デロリンマン」
さくらコミックス・ジョージ秋山
昭和44(‘ 69)年少年ジャンプ、昭和?年少年マガジン連載。問題作「銭ゲバ」「アシュラ」発表前年の作品。キチガイが主人公。鬼才といわれた才能が開花。

’99/5
「ジャイアント台風」
朝日ソノラマ・高森朝雄/辻なおき
昭和43(‘ 68)年少年キング連載。梶原一騎(高森朝雄)原作/辻なおき作画の「タイガーマスク」コンビによる、ジャイアント馬場・激闘の半生記。30歳台以上のプロレスファンなら、知らない人はいない? ・・伝説の名レスラー、続々登場。スカイ・ハイ・リーの仰天技「摩天楼地獄」のインパクトは今も語り継がれている。

その他 ’99年に復刻された主なマンガ

「アストロ球団」
遠崎史郎/中島徳博
昭和47(‘ 72)年少年ジャンプ連載。その後のすべてのジャンプ黄金パターンの、元祖ともいえるべき傑作。男の魅力とパワー溢れる超人キャラクター達には、ただ脱帽。

「夕焼け番長」
梶原一騎/庄司としお
昭和42(’ 67)年冒険王連載。

「変身忍者嵐外伝」
stコミックス・石森章太郎/石川堅
昭和47(’ 72)年冒険王連載。

’98(平成10)年に復刻された主なマンガ

12月
「ウルトラセブン完全版」
朝日ソノラマ・一峰大ニ
昭和42(’ 67)年ぼくら連載。

9月
「ウルトラセブン」
stコミックス・桑田次郎
昭和42(’ 67)年少年マガジン連載。


■復刻マンガの会社

朝日ソノラマ(朝日ソノラマ)
もともとサン(&サンワイド)コミックスで古いマンガの刊行については実績があるだけに、復刻マンガ出版社の代表だろう。

さくらコミックス(さくら出版)
’99年6月に”日本漫画家名作シリーズ”として「デロリンマン」を刊行以前は見かけなかった。ちょっと気になるマイナーな名作どころが主なラインナップか?

QJマンガ選書(太田出版)
知っている人が誰もいないのではないか? と思われる程の、マイナーで古いマンガを扱っているようだ。大丈夫なのだろうか・・。

st コミックス(大都社)
’90(平成2)年に「黄金バット」を復刻。翌年、”なつ漫シリーズ”として、「黄色い手袋X」「月光仮面」などを復刻。その後目立った動きはなく、第2のサンコミ化するかと思われたが、’ 90年代末に入り復刻版ブームに乗って勢いを得る。変身(巨大)ヒーローものを中心に続々刊行。

中公愛蔵版(中央公論社)
’87 年頃から ‘ 90 年代初頭にかけて、品のある名作を中心に刊行。それまでになかった、分厚い ” 愛蔵版 ” という形式を定着させる。

サンコミックス/サンワイドコミックス(朝日ソノラマ)
’60年代後半(昭和40年代前半)から。
とくに復刻版というわけではなく、当時の出版事情をくわしくは知らないが、それを連載していた出版社からは単行本化されなかったマンガを扱っていた。

「ぼくらマガジン」に掲載の作品や、水木しげる先生の短編集をはじめ、ちょっぴりマイナーで、マニア心をくすぐるラインナップが魅力で、昭和50年代に入ってからは古いマンガの初単行本化も盛んだった。

だが売れ行きは良くなかったらしく、大判のサンワイドコミックスに切り替わったりと奮闘するも ‘ 80年代中盤(昭和の終わり頃)には消滅してしまっていた。古本市場では、読みもしないのに「サンコミ」というだけで集めているコレクターが多い。


■復刻して欲しいマンガ

「死神デース」
赤塚不二夫 昭和45(’70)年 ぼくらマガジン

「ワースト」
小室孝太郎 昭和45(’70)年 少年ジャンプ

「プロレス悪役物語」
梶原一騎/一峰大二 昭和44(’69)年 冒険王

「ザ・ムーン」
ジョージ秋山 昭和47(’72)年 少年サンデー

「デロリンマン 黒船之章」
ジョージ秋山 昭和45(’70)年 少年ジャンプまたは少年サンデー?

「イヤハヤ南友」
永井豪 昭和49(’74)年 少年マガジン

「60億のシラミ」
飯森広一 昭和53(’78)年 月刊少年チャンピオン

「デスハンター」
桑田次郎 昭和45(’70)年 ぼくらマガジン

復刻マンガリスト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください